『Street Halo』の3曲ももちろん素晴らしいんだけど、注目すべきは『Kindred』の方で”Loner”はフロアライクでハウス色が強く緊迫感のあるシンセが派手に鳴っているし、”Ashtray Wasp”は、4つ打ちにゴシックぽいシンセとエコーの掛かったボーカルが絡むダビーで壮大なトラックで、すごく美しいけどこれダブステップなの?って感じですが結果的にはこれまでよりも聴きやすくなってます。とはいえ暗くてメランコリックな世界観は損なわれていないので、ブリアルを聴いてみたいという人はこの作品から入るといいと思う。これ聴いた後の方が過去作も理解しやすいと思うし、実際自分も『Untrue』の良さがやっと判った気がします。まあこっちのが好きだけど。
本作でもうひとつ感じるのはこの人はアナログの質感を大事にしてるみたい。前作もだけどレコード特有のパチパチ言うクラックルノイズ(時には雨の様にも聴こえる…まあ実際雨の音も入ってるみたいだけど)が多分に含まれていたり、”Ashtray Wasp”では音が止まったりするし、CDだけど丸くて厚みのある音はなんとなくレコードで聴いている様な感触で心地よいです。まあ兎にも角にも、これは2012年を代表する作品というか稀に見る傑作なんじゃないかなと。
本作は以下Hyperdubのサイトでフル試聴できます。
Street Halo
Kindred