Title : Deviation(NM008LP)
Label : Nervmusic
Release Date : 2012/12/19
Format : 2LP
1982年東京生まれで現ベルリン在住のプロデューサー、Akiko KiyamaさんがロシアのNervmusicからリリースした3rd。 彼女のアルバムを聴くのは1st以来なんですが、その『7Years』とは随分異なる作風で、まるでフロアを向いてないといいますか、朝起きてお茶を飲む、掃除する、散歩に行く…そんな彼女の生活の断片を覗き見ている様な気分になってきて、おっさん的にはなんとなく罰が悪い。でも聴いちゃう！悔しい！
…そんなタワゴトはどうでもいいとして、本作をヴィラロボス『Dependent and Happy』で例えると、1になるだろうか(4は買えてないのでアレだけど）。自由気ままで、ゆるくて、なんだかよくわかんないボーカルが彩るどこか奇妙な音楽、という所に共通点を見出すことが出来るのだけど、前述したとおり本作はフロアを向いていないという点が大きく異っていて、室内楽風ベッドルーム・ミニマル・ハウスとでも言うべきなんとも不思議な感触を持っている。個人的にはもちっとフロア向けでノリがよい方が好みではあるんですが、この一見狭いベッドルームには彼女なりの自由溢れる宇宙が広がっており、中でもタイトルどおり散歩している様な明るい高揚感を誘う牧歌的な”Go For A Walk”、スナフキンが弾いてそうな異国情緒溢れるギターに、機械音や鳥の鳴き声？が入り交じる奇妙なエレジー”Der Wald Erzahlt Geschichte”には魅力を感じた。まあ聴く人をだいぶ選びそうではありますが、質の高い佳作なんではないかなと。
