2013/02/19

Galileo Galilei /『Portal』[SME]

2/19/2013
Artist : Galileo Galilei
Title : Portal (SECL-1066)
Label : SME
Release Date : 2012/01/25
Format : CD

Amazon(初回限定盤CD+DVD)/Amazon(通常版CD)


稚内を拠点に活動するGalileo Galileiが、2012年の1月にリリースした2ndアルバム。この人達のことはどうもかなり若いらしい、という事以外よく知らないのですが、評判の良さに釣られてレンタル。んで、本作で彼らがやってることはというと、現在のUSインディ系サウンドをナイーヴな青春J-Popバンド的フォーマットに取り入れる。という類のもので、最近のTVで曲が使われるくらいメジャーなバンドでこういう事をやってるってのは、もしかするとちょっと珍しいのかもしれない。

てな訳で、軽快なギターと打ち込みドラムで始まるOPトラック”Imaginary Friends”を聴きはじめたところ、次の瞬間にPassion Pitまんまなシンセ音が鳴りだして思わず吹く。まあ他にも色々と参照しているんだろうけれど、本作の音の焦点はあくまで歌に当たっており、あまりシンセもギターも主張しすぎない軽やかさが特徴でしょうか。チルウェイヴとかよりも明るく開放的なメロディー・作風でありながら、同時に内向的な感じもするベッドルーム的な音で、外の世界を夢想する子供みたいなバランス感覚(アンバランスというべきかも…)が面白い。加えて、尾崎雄貴の文系ボーカルは、白人達がナヨナヨ歌う昨今のUSインディものに個人的に感じているある種の不気味さ(すごい偏見)、よりかは爽やかなぶん自然である様に思えるし、なんとなく筋が通っている気がして好感がもてる。

ただ、よく出来ているとは思うんですが不満もあって、インスト2曲はなんだか稚拙なテクノだったりしてインターバルとしても微妙だし、歌モノ12曲は殆ど4~5分のポップソング・フォーマットに収まっていること、また同じ方向性の曲が多く収録時間も1時間超と長いので、後半ちょっとお腹いっぱいで胃がモタれ気味になるところかしら。どうせならこのインスト2曲と他にも2曲(青い栞とか要らないんじゃないのこれ…)ほど削って、長尺の曲も入れてみるとか、”星を落とす”なんかは、思いっきりシューゲイザーにしてしまった方がメリハリが効いてよかったんじゃないだろうか。まあそれでも充分、というか、かなり良作だと思いますけどちょっと惜しい所もある、そんな力作です。



 
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