2013/12/21

2013. 年間ベストアルバム30+12 [選外作12]

12/21/2013
このブログの最初の記事が2011年の年間ベストなので、あれからもう2年ですか…。さて、2013年といいますと、イエス・キリストの受肉から2014年の月日が…と当たり前の事を書いたところで懲りずにやります年間ベスト的なの。

今年買った or DLした2013年の新譜は280枚ほどで昨年(330枚ほど)より抑えた成果が出ました。旧譜入れると400枚超えてしまいますが…。そして昨年より仕事したぶん、ちゃんと聴けてない作品もまた増えた。なので今年は現時点でよく消化してないものは無かった事にして、愛聴したもののみを30作羅列することにしました。ほんとは40位まで決めたんですが、コメント書くのが面倒くさいし、聴いた分母の1割もあれば充分でしょう。という訳でこの偏見に満ち満ちたベストをご覧ください。

ルールのようなもの

  • 2013年に国内または海外で発売されたアルバム、3曲以上20分超収録のEP
  • コンピレーション、ミックスCD、ベスト盤、リィシューものは除外
  • 1名義につき、1作品

まずは、選外作として印象に残った作品を気の向くまま12点ほどピックアップ。なんで12点なのか、というと、特に意味はありません。下の方はガッカリ度高めですが、どれも悪い子ではないです。


Boards of Canada / Tomorrow's Harvest [Warp]

正直なんとかにも書いたBoCの新作。これは『Music Has The Right To Children』が大好きな人の為のアルバムだと思う。完成度はそらもう高いんですが、今年はインダストリアル的な音をあんまり聴きたい気分ではなくて、そんな音を取り入れている事もマイナスに働いた。こんな時代だからこそ冷たいものではなく、『Geogaddi』の様な暖かみのあるものが聴きたかったんです。THE ワガママ!






Arcade Fire / Reflektor [Merge]

今年はますますロック聴いてないんですが、これ聴いて私はもうロックは積極的に追わないでいいかなぁと思いました。なんつうか1枚目とか古臭いといいますかね…。DFAのダンス・パンク的なものがそもそも野暮ったく感じるので好みじゃないってのもあるのですが。とはいえ、2枚目終盤の3曲は、この人達ならではのカタルシスをしっかり感じさせてくれる素晴らしいハイライトです。






Akkord / Akkord [Houndstooth]

Synkro + Indigo によるユニット、Akkord のデビュー・アルバム。この2人は Apollo や Samurai Music など、同じレーベルからリリースを重ねている事もあって、一緒にやるのは自然な流れだったのかもしれません。Synkro がやってる Kiyoko とかの美麗アンビエント・エレクトロニカにはいまいちソソられなかったけど、この音響にも拘ったテック・ベースは非常にかっこいい。ただ、最終トラックにコテコテのインダストリアルな"Undertow"が入ってたので、それだけでもう対象外。インダストリアルはもういいですよぅ…。




Patten / Eolian Instate [Warp]

No Pain In Pop からリリースされた『GLAQJO XAACSSO』はチルウェイヴ時代における隠れたIDMの良作…といった感じの作品だったので、Warpへの移籍は収まるべきところに収まった、といったところですね。んで、この作品、フロア指向なとこはいいんだけど、インダストリアルぽい音を取り入れたりして硬質に寄り過ぎなところが気に入らない。 Dummy で楽観主義に聴こえるみたいなことを言われたのがそんなに気に入らなかったのか Patten よ…。とりあえず Actress とか好きな人にはお勧めではある。




Machinedrum / Vapor City [Ninja Tune]

『Room(s)』は Travis Stewert が初めてバカになったアルバムだった。ジュークやダブステップといった荒っぽいベース・ミュージックと、彼の緻密なテクニックが融合したソレは、衝動と躍動感に溢れながらも洗練されていて、新鮮な驚きを与えてくれたし、2011年におけるDJ Rashad /『Double Cup』的な役割を果たしたという点においても意義のある掛け値なしの傑作だったと思う。では、前作でやっていた事をより洗練させたという今作はどうなのか。もちろんいいアルバムで、ぼんやりと霞がかっていながら、チルウェイヴなどとは一線を画すメリハリの利いたサウンド・プロダクションは「夢で見た都市」というコンセプトを見事に具現化しているし、"U Still Lie"や"Eyesdontlie"はベテランならではの味がある素晴らしいトラックだ。ただ完成度はとても高いんだけれど、『Room(s)』がもたらした衝撃には遠く及ばないし、 Vapor City が完成する頃には忘れられてそうな印象の薄さは如何ともしがたいものがある。



Volor Flex / Sabo [Dark Clover]

その瞳に映るのは、あの人の幻影か。これまで、「退かぬ、媚びる、省みぬ」がモットーと思われてきた、ブリアル・フォロワー界の聖帝サウザーこと Volor Flex さんの4枚目にしてラスト・アルバム。彼のスタイルに変化の兆しが見えはじめたのは、やはり『The Conspiracy』だろうか。伝統あるレーベル Apollo からのフィジカル・リリースという事が原因か、他のプロデューサーとの共作という経験が意識を変えさせたのかは定かではないが、明らかにそれ以降、自分のスタイルを模索している様子を見てとることができた。しかしながら、やはりモノマネに徹していた1st、2ndアルバムほどの完成度には及ばない印象で、恐らくは自身でも分かっていたであろうことが、終盤の"Stranded"というトラック名に込められている気がしてならない。でも、いつか帰ってきてくれるって信じてる…!ちなみに私の中では、ブリアルの最新作『Rival Dealer』は Volor さんへのメッセージという事になっている。



Rhye / Woman [Republic / Innovative Leisure]


1曲目と2曲目(あと"Hunger")が良すぎて、他の印象が薄い。











Arca / &&&&& [Hippos In Tanks]

Kanye West / Yeezus の多くのトラックでアディショナル・プロデューサーとして名を連ねる Arca のミックステープ。荒唐無稽で未来的な映像が場面転換し続ける感じがなんかメガデモみたいで、 Future Crew / Second Reality の世界を思い出してなんだか懐かしくなりました。ただまぁ凄いとは思うものの、トラックがスプリットされてないのも面倒くさいし、さほどハマりませんでした。 Arca ものでは FKA Twigs の方が好みです。




Saint Pepsi / Hit-Vibes [Self-Released]

ヴェイパーウェイヴはなんとなく面倒くさそうなイメージがあるし、80年代のバブリーなイメージ?とかいうのも苦手なので、まったく追う気はないのですが、流石にこれはかなり話題になっていたので私も聴いた。序盤はノリもよいし、手練の仕事って感じがして、「おー」とかなるんですが、中盤以降はダレるというか結構退屈。とはいえ、フリーなので聴いておいて損はしないと思います。



Los Hermanos / Descnendants of the Resistance [GMI Produntions]

URの中核でもある、教会でゴスペルを弾くおじさん Gerald Mitchell によるプロジェクト Los Hermanos の3rd。バンド・スタイルで紡がれるラテンノリの軽妙洒脱な作品で、ボーカルトラックも多く、テクノというよりはハウシーで『On Another Level』みたいなものを期待するとちょっと肩透かし。とはいえ、いろんな人とセッションするミッチェル氏はなんだか楽しそうだし、Lepumpernicの"Keep Hold Tight"や、Soul Saver 名義のソウルフルな"All Over Me"はなかなかかっこいい。何故か日本盤のみ大幅な先行リリースとなっている様で、Youtubeにもトラックが見当たらないので、代わりに"In Deeper Presence"を貼っておきますが、こういうのではないです。



Jessy Lanza / Pull My Hair Buck [Hyperdub]

R&Bの色っぽさみたいのは大いに持っているジェシー・ランザさん、とりあえず雰囲気はあるんだけど、歌はたいしてうまくないよーな。プロデューサーの Jeremy Greenspan が作るトラックはハマってる時もあれば、邪魔くさく感じることもあり、好みが分かれそうなタイプ。この人にしても、Alunageorge にしても、ベース・ミュージック世代のポップ寄りR&B。みたいな位置づけなんだろうけど、Little Dragon、或いは SBTRKT feat. Yukimi Nagano、もうこの際 Jessie Ware でも Delilah でもなんでもいいや…といったところと比べると、どうも物足りない感じがしてしまいます。どうでもいいけど、ジャケットのランザさん背後に居る白いエヘン虫みたいのなんかこわい。



Alunageorge / Body Music [Island]


今年のガッカリ・オブ・ジ・イヤー。これ正直なんとかで割りと酷
評したのですが、なんとかって人が怒ってるだの、7点は行くでしょー…などなど色々と言われました。そんな風に言われるともうちょっと聴けばよくなるかも、って事で聴き直したらアルアルアルアル…いやいやいやナイナイナイ、無いですよこれ。まぁノリの若さやアルーナのボーカル、メロディセンスなんかは置いておくとしても、ジョージ君はトラックメイカーとしてもプロデューサーとしてもちょっと力量不足に思えるし、まだまだこれからの人達だと思います。という訳でナイナイジョージさんの次回作にご期待ください。





以上です。
ベスト30は年末辺りに。


 
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