Shrines(Amazon) |
まずこのFuture-Popとは何なのか。といいますと、コリン・ロディックが好むヒップホップのビートをベースに、チルウェイヴやベースミュージックの感覚も合わせて、”POP”と書かれた鍋で煮込んだ。という様なシロモノで、まあ簡単に言うとウィッチハウスを思いっきりポップにした、いわば魔女っ子シンセ・ポップといったとこですか。そこにミーガン・ジェームスの舌っ足らずでかわいらしいボーカルが乗る事で異様なまでのポップさが発揮され、どことなく遊び感覚で作った様な匂いもする”Ungirthed”に世界中の好き者たちがヤラれてしまったという寸法です。
さてそんな彼らのデビューアルバムなんだけど、リリース済の3曲に加え先行公開された2曲、とアルバムの半分近くが既に知っている曲という事もあってあんまり新鮮味はないかなあ(”Cartographist”でミーガンのボーカルがビョークみたいに聴こえる事には驚いたけれど)。とはいえ本作はよく出来ており、重ねられたシンセワークが光る”Saltkin”(Jon Hopkinsが手を加えているらしい)は特に気に入っている。ダークな世界観を見せている”Odebear”も好きだし、やっぱり”Ungirthed”は素晴らしい。てな訳で個人的にはもうちょっと刺激のあるトラックも欲しかったものの、充分期待に答えてくれたデビュー作なんではないかなと。よいです。
Purity Ring - Saltkin