2012/11/29

Efterklang /『Piramida』[4AD]

11/29/2012
デンマークのオルタナティブなエレクトロニカバンド、Efterklangの4作目となるアルバムは前作に続いて老舗レーベル4ADから。 本作はノルウェー領のスピッツベルゲン島(九州と同等の大きさらしい)にある、ピラミダというゴーストタウンでフィールド・レコーディングした素材を元に制作されたのだそうです。ずいぶん前に試聴した時に、この人達にしては随分控えめな雰囲気だなあ…と思ったんだけど、こんな制作背景があったんですね。

そんな訳で、この作品はセンチメンタルで寂しげな雰囲気に満ちているんだけど、悲観的な感じは全くないし、どこかユーモラスに感じる曲もあったりして、なんというかすごく暖かみを感じるんですよね。過去作同様にエレクトロニクスもオーケストラも使ってはいるものの、音数はかなり絞られている様で、隙間を感じさせる楽曲がシンプルに響いてきます。特に気に入ったのは、人が去ったピラミダをイヌイット神話の悲劇でなぞらえた”Sedna”で、スローテンポなオルガンのメロディーにCasper Clausenの美声が胸に染み入る美しさ。アートワークも素晴らしく、これは文句なしの傑作と言ってよいんじゃないでしょうか。まあ人は選びそうだけど。



 
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