2012/12/26

2012. 年間ベスト・アルバム 40+10 [選外作など]

12/26/2012
このブログの最初の記事が去年の年間ベストなので、もう1年ですか…。さて、2012年といいますと、チャールズ・ドーソンらがある類人猿の頭蓋骨を発見し、これこそ人類の進化におけるミッシング・リンクそのものである。と大風呂敷を広げた結果、単なるオランウータンの骨やら何やらをリミックスした物体がピルトダウン人と名付けられてからはや100年の月日が…と、どうでもいい事を書いた所で2012年の年間ベスト。

ベスト20までは音楽中毒の皆さんがベスト盤を発表する、マソ山さん主宰の素敵企画ecrnアワードさんに12月1日の時点で投稿済ですが、それ以降届いたアルバムも含めて今の気分で40位+αまで選んでます。こんなもん気分でころころ変わりますからね。ってな訳でルールは以下。 下の条件だと分母は大体210~220くらい。

ルールの様なもの

  • 2012年に国内または海外で発売されたアルバム
  • コンピ、ミックス、リィシューものは除外
  • シングル、EPは除外、ただし30分程度の長さがあるものは例外

まずは、選外作品としてベスト40に漏れた作品の中から、惜しかったりガッカリして印象に残った作品を10点ほどピックアップ。まあ下へ行くほどガッカリ度が高い訳なんですが、どれも悪い人達ではないです。
ちなみにベスト40も決まってはいるのですが、公開は年明けになりそう。


Shovels & Rope / Noise Trade Sampler [Noise Trade]

今年リリースした2nd「O' Be Joyful」が好評らしいサウスキャロライナのMichael Trent、Cary Ann Hearstによるカントリー/フォークな男女デュオ、Shovels & Ropeがフリーで公開していたライブ音源。ギターとドラムという編成なのですが、甲高いCaryの声とMichaelのワイルドなボーカル、加えてCaryのドラムがいい意味でのラフさをもたらしていて魅力的。まあこのサンプラーで満足してしまって、未だにアルバムは買ってないんですが。ご、ごめんよShovels & Rope!
ちなみに現在は公開期間過ぎちゃってるみたい。




Pepperboy / P.T.S.(Post Traumatic Stress) [Baku Shad-do]

アーカンソー州リトルロックのラッパー、Pepperboyさんのミックステープ。本作は流行りのクラウド・ラップものでClams Casinoのトラック(Rain Forest EP[Tri Angle]収録の"Waterfalls")を使ったりもしているんですが、この人自体は結構活動歴が長いみたいで、昔はGファンクやってたとかなんとか。綺麗なピアノのメロと今どき感のある太いベースが印象的なトラックに、なんだかダラーッと気怠けなラップの組み合わせが素敵。最近リリースされた新しいミックステープもなかなかよかった。





Beach House / Bloom [Carpark]

ドリーム・ポップの代名詞的な存在となった、Beach Houseの4作目。Mythを始めいい曲ばかりですし、前作同様に完成度高いんですけど、なんとなく何度も聴く気にはなれませんでした。まあたまに聴くとやっぱいいなと思うけど、私的には3rdまでで代用出来るよね、という感じが否めない作品。ところでこれCDで買ったんですが、最後のああいうシークレットトラックって、レコードやカセットというフォーマットでならアリだけど、収録時間が表示されてしまう配信やCDだとあんまり意味ないんじゃないかなあ…。親がプレゼント置いてくれてるって知ってるのに、うわぁーサンタさんありがとー!って演じる子供的な気分。



Sand Circles/ Motor City [Not Not Fun]

ストックホルム在住のMartin Herterichによる、エクスペリメンタルなディスコ・ユニット、Sand CirclesがNNFよりリリースした作品。酩酊的なエコー、モヤが掛かった様な打ち込みのリズム、ローファイなシンセサウンドが退廃的でレトロ・フューチャーな夜の世界を描き出す。この人Xander Harrisなんかと並ぶ才能の持ち主だと思うんですけど、なんでカセットテープ(150本限定)でのリリースなんでしょうかね。まあ配信で買えるのでいいんですが。個人的には前作の方が好みなので惜しくも選外。



Toy / Toy [Heavenly]

アンドリュー・ウェザオールおじさんもお気に入りだという、ロンドンのサイケなロックバンド、Toyのデビューアルバム。まずこのジャケットがいいですね。まあ音の方はというと、ノリでどんどんエスカレートしていく感じのインストパートは好みなのですが、ボーカルがちょっといまいち弱い。これなら私はホラーズ聴くかな。うーん惜しい。





Passion Pit / Gossamer  [Columbia]

Gossamer
ワターシ、コレノヨサワカルーヨ、ウソージャナイーヨホントダヨ。なんだけど、これほんと今の気分に合わなかったんですよねぇ…。パッション・ピットで好きなのって"Moth's Wing"くらいだったので、元々そこまで好きではないのだけど、本作は前作よりハイテンションな感触であんまり聴く気が起きなかった。特に2曲目にダーダーダッ!パオッパオッ!みたいな曲が入ってるんですが、ケミカル臭のする躁っぽさってちょっと苦手なので、あ、ごめんなさい…となってしまいます。でも色んな所で賞賛されているし、私くらいは合わないと言ったっていいよね。ごめん マイケル 愛してる。




Traxman / Da Mind Of Traxman [Planet Mu]

Da Mind Of Traxman
シカゴ・ハウスを起源とするJukeのゴッド・ファーザー、Traxman待望のフルアルバム!は、ベテランらしく洗練された作品。なんだけど、うーん…幾つかかっこいいトラックもあったんですが『Bangs and Works Vol.2』収録の"Brainwash"ほど好みでもないし、どこかナンセンスなサンプル使いのトラックも、昔Fantastic Explosionがやってた70年代D&Bと似た様なもんかしら…と思うくらいで、さほど面白いとも思えずあんまりハマれませんでした。家でリスニングもののアルバムとして聴くなら、洗練されていながらも暴力的な衝動を纏っていたDJ Diamond /『Flight Muzik』の方が私は好き。やっぱりこれはDJが現場で掛けてナンボなのかなぁと。




Lil B "The Based God" / Green Flame [Self-Released]

Green Flame(Free DL)
これに関してはガッカリする程期待してた訳じゃないけど…。さて、フリーミックステープ時代の象徴的存在であろう、このLil B "The Based God"なんですが、クラウド・ラップでもベイスト・ミュージックでも何でもいいんだけど、その浮遊感溢れるトラックは単純に聴きやすいので、Lil Bのgdgdな酔いどれラップ(Based Freestyle)も含め、なんとなく気に入っている。ただ、いかんせんリリース量が多すぎる為か『Based God Velli』の様な良作がある一方、「なんだこれ」な作品も散見しており、中でもこのFlameシリーズは個人的に地雷だと思っていて、緑もやっぱり「なんだこれ」なのでした。まあなんせ神様のやる事ですから、理解出来ない事もありますよ。

Lil B - I Got MO BASED FREESTYLE


Heavenly Beat / Talent [Captured Tracks]

Talent
Beach FossilsのベーシストJohn Penaのソロ作品。チルウェーヴ通過後なアコースティック+シンセ・ポップといった作風で、気持ちよい音だなとは思うんですけど、音色が同じこともあって、全部同じに聴こえてきてすぐ飽きてしまいました。ちなみに、この作品を苦手になったある悲劇的なエピソードがありまして、ある日なぜかこれが西友で流れてたんですよ。んで、スーパーの食料品売場というシチュエイションで聴いておりますと、この安っぽいシンセ・ストリングスの音色が、豆腐1丁38円という値札の効果も手伝って、一段と安っぽく聴こえてくるんですね。それ以来、私の中でこの作品はスーパーのサントラと化してしまったのです。つまり西友が悪い。




ワースト. Trailor Trash Tracys/ Ester [Domoni/Double Six]

Ester(買うな)
今年のガッカリ・オブ・ジ・イヤーはコレに尽きる。という訳で、UKのサイケ・ドリームポップ4ピース、Trailor Trash Tracysのデビュー作『Ester』(過去記事)です。確かに"You Wish You Were Red"や"Candy Girl"は悪くないんだけれど、他がどうもテキトウ臭いというか。まあなにやら色々やってはいるものの実験的とかそんな高尚なものではなく、大林宣彦の『漂流教室』見ちゃった後みたいな気分になるんですよ。Next The xx!とかいう売り文句から、クロスビートのシューゲ特集でのビッグマウスまで全てが憎い。始めにどれも悪い人たちではないです。と書いたけど、こいつらは例外。TTT絶対に許さん!!あ、でもライブは行ってみたい。


あらかっこいい。でもこの曲だけで判断してはいけない…

TTT - Rolling Kiss The Universe 今年のワースト・トラック!


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