2013/02/01

eastern youth /『叙景ゼロ番地』[Vap]

2/01/2013
Artist : eastern youth
Title : 叙景ゼロ番地
Label : Vap
Release Date : 2012/09/19
Format : CD

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2012年にリリースされた、2ハゲ+1フサのおっさん3ピース、eastern youthの通算15枚目となるアルバム。さて、この『叙景ゼロ番地』は冒頭"グッドバイ"に象徴されているとおり、震災後の世界が描かれている。

記号のような言葉だけが 次々と降り積もっていった どうして涙が出るんだろう?  夕立、バラバラと爆ぜるように 靴音、バラバラと爆ぜるように褪せて汚れたビルの壁 打ち捨てられた傘の骨 角のメシ屋の壁時計 アバヨ サヨナラ 午後三時 (グッドバイ)
とはいっても、震災を思わせる表現はこれくらいで、全体的には歌詞の視点が変わったところはあるものの、現状を見つめ喪失や孤独感を歌いながら、それでも立ち上がり、最後はまた一歩踏み出すしかないよね。といった内容の年齢を重ねた最近のイースタンらしい、決意と再生の物語となっている。

一方、音の方はというと、ギターの音でけえええ!とにかくデカいので、耳に刺さるし、ボーカルもやや埋もれ気味(前作『心ノ底ニ灯火トモセ』より吉野の声が力強く感じられるのが救い)で、なんとなくインディーズ時代を思わせるような音に聴こえなくもない。これってどうも意図的にやっているらしいんだけど、私としては『雲射抜ケ声』や『感受性応答セヨ』の頃の、轟音なのにクリーンに響くギターの音が好みではあるし、なんというか予算が少ないのかなあ…とついつい余計な事を考えてしまう…。

ただ、都会の喪失感を歌う”残像都市と私”は、この荒っぽい音がうまく機能しており、本作のベスト。どこに居たって、見てる空は同じだと歌う、”呼んでいるのは誰なんだ?”、"グッドバイ"から繋がる約2分のイントロと、ドラマチックな構成が光る”ゼロから全てが始まる”もまた味わい深い。まあ一聴で惹きつける様なキャッチーさは薄いものの、耳をつんざく様な音も回数聴いてるうちに慣れてくるし、ライブでは前作より映えそうな中々の良作なんじゃないでしょうか。ちなみに3月の極東最前線は、某りんご音楽祭でイースタンのライブ中にダイブしていたらしい、話題のラッパー田我流がゲストだそうで、これはちょっと行ってみたい。


イースタン好きのウンコさんは今ごろ機上でしょーか、それとももうハンブルクに着いてるのですか。
ヤケ食いヤケ酒ヤケウンコ、そんで音楽聴いて…まあ元気でいてほしいものです。

 
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