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Biokinetics(Amazon) |
ってな訳で聴いてみると16年前の作品にも関わらず古さが全くないどころか、現在のディープなミニマル・ダブと変わらぬ音が鳴っている事に驚いてしまう。ジャケットまんまの浮遊感が美しいオープニングトラック”Port Gentil”、典型的なノイズ混じりのハードミニマル・ダブ”Nautical Dub”は本当にかっこいい。が、決して分かり易いだけの作品でもなくて、表題曲”Biokinetics1”は、なんだか8bitで描かれたドット絵のキャラが切れ味の悪いノコギリで切れない木を延々とギコギコやってる場面を見せられている様なシュールな味わいで、深いダブ音響が印象的な”Biokinetics2”は他に何もない場所で電車が通過する様を延々と見せられている気分になる。霧がかった様な音響とディレイが特徴的な”Nautical Nuba”はどことなく煙に撒かれている様な感覚に陥るし、シンプルなテクノでありながら結構実験的な面もあり飽きずに聴けます。
私が特に気に入ったのは何と言っても最終トラック”Nautical Zone”で、ディープで、実験的で、そして開放的で、どこまでも飛んでいける様な気分になれるナイストラック!流石クラシックと呼ばれるだけあって、ダブテクノ好きな人からアンビエント好きな人までお勧めの類まれな傑作でしょう。
Porter Ricks - Nautical Dub
Porter Ricks - Nautical Zone