Title : How I Live Now -Motion Picture Soundtrack-
Label : Just Music (UK)
Release Date : 2013/10/14
Format : Digital
Amazon(CD)
Jon Hopkinsの今年2作目。世界的に有名らしいジュベナイル小説『How I Live Now(邦題：私は生きていける)』を、シアーシャ・ローナン主演で映画化したもののサントラとのこと。拒食症を患ってNYからイギリスの叔母の元へとやってきたローナンちゃんが、いとこ達と別荘で過ごしていたところ戦争が勃発。戦火の中で育む愛と生の物語！みたいな映画だそうです。小説版はリアリティのある描写で評価が高いようなので、ちょっと読んでみよう。
んで、肝心の音。とりあえず、Amanda Palmer & The Grand Theft Orchestraによる1曲目は飛ばそう、なんならリッピングもしないでよい。そうすればこれはもうJon Hopkins作品そのものだ。『Immunity』と比べるとこちらはアンビエント寄りの作風で、アルバム冒頭、イギリスの片田舎の穏やかな風景をそのまま切り取ったかの様なピアノ連曲"The Field"、"The River"の美しさたるや…。かと思えば、幽玄なシンセと不穏なベース・ラインが緊迫感を徐々に高めていったところで、突如ノイズのカタストロフィが訪れる"Escape"のかっこよさたるや…。流石Jon Hopkins先生は地力が違いますわねぇ…。ただし、インストものに比べるとボーカル・トラックはちょっと出来が落ちる。いい曲だけどオリジナルとほとんど同じじゃないか…と言いたくなるDaughterの代表曲"Home(Jon Hopkins Remix)"、或いはBat For RashesのNatasha Khanを迎えたエンディング・ソング"Garden's Heart"は悪くない程度の出来ではある、しかし雰囲気を壊す様なもんでもない。まぁなにやってもうまいというか、ピアニストとして、コンポーザーとして、そしてサウンド・デザイナーとしても高い技量を見せつける余裕の良作。今年のMVPはこの人でしょう。
